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47エッセイコラム

春夏秋冬「ゆる伊豆」だより  小林ノリコ

第14回 伊豆の玄関、究極のご当地名物!?

駿東郡清水町にある柿田川公園は、日本一の湧水で知られる「柿田川」の自然を身近に感じることができる場所。柿田川は「日本の名水百選」のひとつであり、2011年(平成23年)に国の天然記念物に指定された。

湧き間が観察できる展望台からの風景約8500年前の富士山の爆発で流れ出した大量の溶岩(三島溶岩流)は、水を通しやすい多孔質の層。その下の「古富士火山」の表層は水を通さないため、富士山や御殿場地方に降った雨や雪が地下水となって流下し、三島市や柿田川で地表に湧き出てくる。一日に約100万トン湧き出るといわれ、日本一の湧水量を誇る。
公園内の2つの展望台からは、その「湧き間」を見ることができる。また、水に足を入れて湧き水の冷たさを体験できる「湧水広場」もあり、夏場は親子連れでにぎわう。

清水町は、「伊豆の玄関」である三島市と沼津市という大きな街に挟まれた小さな町。両市街地のベッドタウン的な存在である。町の中心をバイパス道路(国道1号線)が貫き、その脇には大規模なショッピングセンターやチェーン店が建ち並ぶ。そんな道路沿いの喧騒の中に、柿田川公園の鬱蒼とした大自然が広がっているのだ。この光景は、まさに「現代の奇跡」といっても過言ではないだろう。

公園内には無料の水汲み場が3ヵ所ある私はこの公園から歩いて数分の場所で生まれ育った。私が通っていた小学校の裏には「教材園」という広い自然園があり、学校の授業などで大いに柿田川に親しんだ。また、この地域一帯の水道は柿田川を水源にしていて、真夏でもキンキンに冷えた美味しい水が蛇口から出てくる。実母が子どもの頃は、川で泳いだり湧き間まで泳いで行けたりしたそうだ。この町の住民は、昔から日本一の湧水に学び、生活を共にしてきた。

今や柿田川は、この町の一大観光スポットとなった。駐車場には大きな観光バスが並び、最近ではアジア各国からの観光客も訪れる。街なかに澄んだきれいな川や湧き水があることはもちろん、湧き間を間近で観察できるのは、世界的にも珍しいのだそうだ。

そんな柿田川公園の売店に並んでいるお土産といえば、柿田川の湧水を使って作った豆腐や、和菓子、焼菓子など。町内に蔵元はないが、町で採れた「緑米」を使った純米酒と米焼酎「大湧水」が発売されている。元々、これといった特産物がなかったため、町おこしとして近年企画された商品が多い。これらの地場産品は、すべて湧水のめぐみ。柿田川がなければ、ご当地名物は成り立たない。

何よりも柿田川の大自然に育まれた「水」そのものが、町の誇るべき「究極のご当地名物」なのかもしれない。





【小林ノリコ プロフィール】
伊豆在住フリーランス・ライター/伊豆グルメ研究家。東京の編集プロダクション勤務を経て、2005年から地元伊豆でフリーランス・ライターとしてのキャリアをスタート。2014年より静岡県熱海市を拠点に移して活動中です。47エッセイでは、四季折々の伊豆(たまに箱根)の風景や食を中心に、あまり観光ガイドに載らないようなテーマを、ゆる〜くご紹介していきます。


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